【第一章 元ヤン教諭と泣き虫幽霊】

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「ね、ね、水戸先輩」 肌寒い外の世界と隔離され、暖房器具が忙しく稼動する室内で、後輩の森山が話しかけてきたのは私がお昼ご飯を食べようとした時のことだった。 「水戸先輩って俗にいうマヨラーですよね?」 森山はそう言って、私のお弁当の隣りに置いてあるマヨネーズを指差す。 あぁ、そうだね。 私はマヨネーズが園児と同じくらい大好きだ。 これは偽りない真実だ。 私はすこし口ごもりしてから答える。 「ま、まぁね」 家族にも言われているからあまりこの話はしたくない。 そんな願いが天に通じたのかちょっとしたハプニングが起こった! 「せんせ~い。だいすけくんがジュースこぼしちゃったぁ」 テーブルでご飯を食べていためいちゃんが慌てて駆け寄ってきた。 (ナイス! だいすけくん!) 悪いと思いつつも絶好のタイミングだった。 すぐに森山はジュースがこぼれて呆然としているだいすけくんの元へ走り寄って行った。 これが私の日常だ。
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