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「しかしこんな膨大な力を持っているのに何故今まで妖が見えてなかったんだ?」
少女は八咫にさも不思議そうに聞いた。
「んー・・・不思議だ。そもそも覇力は突然人に憑いたりするもんじゃないんだがな」
・・・すいません話についていけません。
「つまりお前にはさっきの餓鬼みたいな妖と闘うための力を持っているってこと、しかもかなり巨大な奴をだ」
少女にそう説明された。・・・が分からん、いや分かってたまるか!妖?力?なんかのネタか?
「ふぅ、お前さんにはしっかり理解してもらわんといかんな、何処か人気の無い場所はないか?」
八咫にそう聞かれ俺はこう答えちまった。
「俺ん家近いんで来ます?」
俺はこの先に起こる事など考えてもなかった。今思えば俺がまっとうな道を踏み外したのはこの時だったのかもしれない。
・・・いや、最初からちゃんとした道など歩いていなかったのだろう、数メートル先も見えない霧の中を一直線に目的地とは180度違った方向に全速力で駆け抜けてたということは、後になってようやく気付いたのだ。
あぁ忌忌しい・・・。
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