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僕の足下には無惨にも羽を散らかし気を失った烏が落ちている。
「・・・ゆうちゃん、それちゃんと片付けてね」
なぜだ?
「いや、烏の羽が散らばってる部屋ってなんか縁起悪いし」
烏がしゃべってる時点で縁起悪いけどな。
「気持ち良いほどざっくり切り捨てるよな」
雅親はそう言ってチリトリとホウキを僕に投げてきた。
「んじゃよろしく」
雅親はベッドから起きて部屋を出ていった。
・・・面倒だな。チャイナに押し付けようか。
「おいチャイナ!八咫の後片付け手伝え!」
「仕方ないですネ黒騎士さん、心の酷い私は手伝いますヨ」
「いや、「心の酷い」じゃなくて「心の広い」だからな?・・・つか『黒騎士』って呼ぶのやめてくれ」
僕はチャイナにチリトリとホウキを渡しながら言った。
「嫌ですカ?」
わざわざ二つ名で呼ばれるのもちょっと・・・。
「じゃぁ『アネキ』って呼びマス!」
お?なんかカッコイイなそれ!
「じゃ次からアネキですネ、・・・あぁ掃除終わりましたヨ」
うむご苦労、八咫の死体は後で非常食用に燻製にするから台所に置いといてくれ。
「はい分かりましタ!」
ふっ八咫め、僕をからかうからこうなるのだ。
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