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「昔は皆力の存在を知っていたし認めていた。陰陽師なんて有名な例として挙げられる」
あれはフィクションだろ?確か今昔なんたらとかいう文書に載ってる・・・
「人の頭は実現しえる事しか思創することはできないのさ、阿倍晴明という男は実在したらしいし現代にも子孫が残っている。もちろん陰陽師としてな」
んな馬鹿な・・・なら何故今の人達はそれを知らないんだよ。
「日本の年号だと明治だったか、新政府は鎖国の終止と共に能力者が海外に出る事を恐れ、力を持つ国内人を政府の役人として器用し能力の事を府外不出とした。結果外国はもちろん国民の記憶からも薄れていき、事実は伝説、伝説は異録として人々から忘れ去られていった」
俺は柄にも無く話にのめりこんでいた。視界の隅でつまらなそうに俺が出したお茶をすすっている少女を放って。
・・・そういえば俺はずっと少女と呼んでいるがまだ名前を知らない。八咫の話の途中だけど聞いておこうか。
「話の途中悪いんだけどさ、まだ名前聞いてなかったよな。八咫は自分から名乗ってくれたから分かるけど君は?」
俺がそう問うと少女はこう切り返した。
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