~oratorio~

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「人に名を聞く時にはまず自分から名乗れ」 わぉ、なんて棘のある言い方だろう。なんか普に落ちない気がするが、事態の収集を付けるために我慢した。 「俺は東雲雅親だ」 「榊ゆう」 ・・・はっきり言ってうざい。人を馬鹿にしたような態度で当の本人は呑気に茶をすすっている。 「話の途中なんだろ?八咫、続けてやれよ」 よし決めた、この女絶対殴る。誰が何と言おうと殴る! 俺が心の底で誰に対するかも分からん誓いを立てていると、八咫は呆れたように俺を慰めた。 「ゆうはこの通り人の癪に障る性分でね、少し堪えてくれないか?」 ・・・俺の堪忍袋の緒は短いんだがな。 「それに説明の途中だから続きを話すぞ?」 八咫は無理矢理話を元に戻し続けた。 「まぁ、力は秘密にされて皆忘れていったって事だ」ふーん・・・んでその力が俺にもあるってか? 「そうだ、信じれんだろうがお前さんには莫大な量の力が眠ってる」 ・・・三千歩譲って俺に力があるとしよう、そしたらどうなるんだ? 「その力を利用しようとする奴が出てくるかもしれんし、この先邪魔になる事を恐れた誰かに殺されるかもしれん」 俺の頭はついにフリーズした。
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