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「ハ…ヤト?」
それって…シュンが時々口にする…
「…ああ。ちなみに漢字のな。」
「かん…じ?」
きょとんとした顔で見ると、シュンは出を顎に当てる。
「あ-そうか…、分かんないか…。昔あったんだよ漢字って言う字が。ま、もう100年も前だから、今はみんなカタカナだな。」
「…ハヤトってかんじじゃどう書くの?」
僕がそう言うと、シュンは胸ポケットから出した手帳にすらすらと書いて渡して見せてくれた。
うわ…なにこの字…。
その字はなんだか複雑な字で、僕にはどうしてこれがハヤトって読むのかわからなかった。
でも、シュンが…主人が言ってるんだから、別にそれでも良い。
それに、
それに…、ちょっと嬉しいくらいだ。
今までちゃんとした名前を与えて貰えなかったから、こんなにちゃんとした名前を貰えると嬉しい。
シュンに…感謝しなきゃ。
あの時拾ってくれて、名前もくれて、
本当に、本当に、
「ありがとう…。」
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