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僕がシュンに出逢ったのは、今から2日ぐらい前のこと。
奴隷市場で商品と出されるのが嫌で、たまらなくなった僕は見張りの目を盗んで逃げ出した。
見張りが多くてすぐ見つかったけど、無我夢中で逃げて、逃げて、とにかく走った。
でも、大人の足にはかなわない。
みるみるうちに僕と追っ手の距離が縮む。
もうダメだと思って諦めかけたその時、
僕は何かに吸い込まれるかのように脇道に駆け込んだ。
そしてそこにいたのがシュン…。
警官の制服を着て、
漆黒の髪、漆黒の瞳、
月の明かりしかない闇夜の中で、
例えるなら…そう、まるで死神のように…。
誰しもを魅了する容姿。
僕は瞳を奪われた。
目をそらせない…。
知らない筈なのに、知ってるような…変な感覚に捕らわれた。
シュンは僕に微笑んで、追っ手達のもとへ足を運んだ。
そして、追っ手達を悉く蹴散らした。
「……すご…」
シュンの身のこなしに驚愕するしかなかった…。
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