†第一話†

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そしてシュンを見た。 やっぱり、格好いいな…。 僕とは違って、シュンは階級の高い人間…。 僕みたいな孤児をどうして拾ったの…? 「………。」 そんな事をおもって見てると、シュンが気付いたのか手を止めた。 「…どうした?」 感づかれたとおもって必死に別な事を考える。 「…え…あ…、そ、そう言えば、僕の名前…何だけど。……僕に名前なんて…無いよ?」 「え?」 「僕…孤児で、小さい頃から競りにかけられてて、そこで決まった主人から名前つけて貰ってるから、主人が変われば、名前も変わるんだ…。だから、僕の名前…無いんだ。」 僕は俯く。 手に力を入れて握る。 今とは違って辛い過去。 思い出すのも嫌になる。 …ポン…ポン え? シュンが急に頭を撫で始める。 不思議に思った僕は顔を上げると、シュンが微笑んでこう言った。 「名ならあるだろ。」 「え?」 「お前の名前は“隼人”だ。」 は…やと…?  
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