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妹が死んだ…柾人は簡単に言った。
人の命は…私の命は結局そんなものなんだろう。
《朱希》が死んだって知ったら?
もっとたくさんの人が悲しむのだろうか?
そう考えると、ほんとムカつく。
「そうだね…でも、もう大丈夫だよ。」
笑顔を作り、柾人の手をギュッと握った。
柾人は優しい笑顔をつくり、頭を撫でてきた。
「柾人!!」
教室の外から誰かの声が聞こえた。
「優良(ゆうり)か、なんだよー。この雰囲気見て察してよ。」
柾人は不機嫌そうに優良と呼んだ。
優良は近づいてくると、ただ無表情で柾人に話しかけた。
「教室戻るぞ。なんで俺がお前を呼びに来なきゃなんないんだ。めんどくさい。」
ただ淡々と話す優良を見て朱希は柾人に聞いた。
『友達??』
柾人は頷いた。
「三咲(みさき)優良。幼なじみなんだ。朱希は会ったことないっけか?」
《朱希》が会ってない自信があった。
もし、会っていたなら一番に私に言うはずだ。
優良くんってカッコイイんだよ、って。
《朱希》にとっては大事なことだったんだろう。
今の私にはどうでもいいことだ。
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