甘美な罠に酔い痴れたい

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見事に顎にHITしたせいか、アグルとやらは足を一瞬ふらつかせ、そのまま近くのテーブルに引っ繰り返る。 そのテーブルには既に客人、これもまたガラの悪そうなオッサン方が座っとりまして… 「何しやがんだ、この若造がァ‼」 胸ぐらを掴みあげてその顔を殴り飛ばせば、そのまま勢いに乗りまた近くのテーブルにへと突っ込む。 でまたぶっ飛ばされての繰り返しで… 気付けば店内はもう誰にも止められないような大乱闘へと発展していた。 さすが、ガラの悪い奴らの溜り場でも有名なだけある👍 だが、この大乱闘の引き金であるこいつは… 「おっちゃーん、本日のオススメデザートくんなましー」 などと大乱闘に目もくれず、カウンターの方に声をかける。 カウンターに身を乗り出して乱闘に頭を悩ませている、スキンヘッドのおっちゃんは「こんな騒ぎに料理ができるか」等と叫び返してきた。 甘いね、おっちゃん。 料理人ならいかなる状況でも一流の料理を作る、それぞ料理人魂だ。   💡 リクの頭に一つのことが過る。
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