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男の子は1分もしないうちにケーキを食べてしまい、2個目に手を出そうとしていた。
「ちょっと待った!」
「なんだよ?」
「ちょっと図々しいんじゃないかな?それに、食べたらすぐ帰るって言ってたわよね?」
「帰るよ……あと何個か食べたら」
小雪の言ったとおり確かに図々しいかもしれない、普通の人ではありえないような事をしているのだから。
「だから!ここはケーキバイキングじゃないって言ってるでしょ!」
「わかったよ!だから耳元で叫ばないでくれ!」
男の子は小雪がうるさく言うのが嫌になって、ようやく諦めたようだ。
まあ、知り合いでもない普通のケーキ屋で、店内でケーキを食べさせてもらえただけでも有難いと思うべきだろう。
「では、改めて……チョコレートケーキ1個で350円になります」
小雪はぶすっとした顔からいつもの営業スマイルに戻して、笑顔で言った。
しかし、その笑顔もそんなに長くは続かなかった…
「金とるのか!?」
男の子のその発言を聞いて小雪はきょとんとして、何を言ったらいいのかがわからなくなってしまったようだ。
当然店で何かを食べたり、レジに持って行ったりするとお金を払うことになる。
そして、それは世界共通のはずなのだ。
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