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「う~っ…寒いなぁ…」
「いらっしゃいませ」
「ここ何?」
「えっ…?」
ケーキ屋と知らずに入ってきたのか、男の子は辺りを見渡していた。
そのことに不審を感じたおばさんは帰ろうとせずに男の子に声をかけた。
「アナタここがケーキ屋と知らずに入ってきたの?」
「ケーキ屋…?」
おばさんの言葉を聞くと、男の子はまた辺りを見渡しようやくここがケーキ屋と言うことに気づいたようだ。
「道理でケーキが多いわけだ…」
「後のことはあたしに任せて、おばさんは帰って大丈夫ですよ」
「そう…じゃあ私は帰るけど、ユキちゃんに変なことしたら許さないからね!」
そう言い残すとおばさんは店から出ていってしまった。
「なんだ?あのおばさん?」
「あのおばさんすごくいい人なんですよ。いつもあたしのこと心配してくれたりして…」
「ふーん…」
男の子はあまり興味がないかのような反応を示した。
「それで、変わったお客さんですね。何屋さんかも分からないのに入ってくるなんて」
「それがさぁ…外がめちゃくちゃ寒くて、凍えそうになったから適当に店を探して入っちゃったんだよ」
男の子にそう言われ小雪は外を見てみると、確かにかなり吹雪いていた。店の中に居たから全然気づかなかったようだ。
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