01.嗄れるまで叫べ

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井上とは相方という関係以外で もう会えない. 何とも例えられない 不快感を抱え 海に出た. なにも持たずに来た. ただ海が見たくて. ああぁぁぁあぁあぁ 出る限りの声を出した. 流れる涙を誤魔化すために. 泣く甘ささえ捨てるために. 募る不快感がとれる訳でも 許しを貰える訳でもなかった. それでも俺は 声が嗄れるまで ひたすらに叫んだ. まるで自分から逃げるみたいに. まるで何かを待つように. end
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