ギリア

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ティアラがなくても                       外を見れば、民衆達。   外から聞こえる声が   頭に響く。    "やめて…ッ"     私の声は   みんなの声でかき消される         私は今、姫ではなくなった。     街から離れたところに   私達は住んでいる   家には病気のお父様と   執事だったじいや     私はボロボロの服に靴   汚れた肌   姫だった頃が懐かしい   キラキラした宝石に   綺麗な服   ピカピカの靴       ポロリと頬を伝って落ちた涙は   地面に落ちた。     "どうして泣いてるの?"     私の目の前には   小さな少年     "ごめんね"     "どうして謝るの?"     どうしてだろう   何故だか   涙が溢れてくる     "泣かないで"     子供の一言が   私の心を暖かくした     "ありがとうね"     私がニコリと笑うと   少年もニコリと笑った     "お姫様みたい"         ティアラがなくても     (きっと気付いてくれるでしょ?)      
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