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「きゃ~!あたしやっぱりついてるぅ~!」
大はしゃぎして喜ぶ綾。
「あ゛~ちっくしょ~!なんで綾ばっか…」
私がちょっとした文句を零した途端、
『ドォォォン…』
家の遠く…いや、遠くと言ってもさほど距離のない所から爆発音が聞こえた。
振動は無かったが、音の大きさに私達は会話、笑い、トランプをしている手も止まり思わず顔を見合わせた。
[何今の?…]
皆そういう顔をしていたが、言葉には誰一人として出さなかった。
正確には出さなかったのではない。出せなかったのだ。
平和慣れしている私達は爆発音なんて耳慣れない音であり、テレビや映画などで聞いているものの、実際の音となると硬直し頭の中が一瞬真っ白になってしまったのだ。
少し皆黙っていると、佐道が声の金縛りを打ち破り、
「おいおい、今のすげー音は何な…」
と言った時、またしても爆発音が聞こえた。
やや遠く、遠く、かなり遠く、と連続で爆発音が鳴り響いた。
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