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「…ムゲン…」
遠くから自分を呼ぶ声が聞こえる…。
その声はとても静かで…でも、耳にはしっかり聞こえてくる不思議な声…。
「…誰…だ…?」
ムゲンは、目を凝らしながら声のする方向に向かって呟いた。
しかし、その人物の姿はうっすらとした影しか見えない。
「…ムゲン…?そっか…僕が見えてないんだね…君は…僕を忘れてしまったんだね…」
そんなムゲンの姿を見て声の主は悲しげに言った。
「………」
ムゲンは黙って、自分の心中を悟っていた。
”俺は確かにこの声を知っている”…と。
しかし、思い出せない…
「…あんた…一体…誰なんだ?」
ムゲンは再度質問した。
「…ごめんね…君が自分で思い出すまで言えないんだ…だから、早く思い出して…」
また声の主は悲しげに質問に答えた。
続けて声の主は言った。
「ヒントをあげよう!さぁ、周りを見て★」
??????さぁぁ??
今まで真っ白だった周りの景色が一面の森に変わった。目の前には太くて大きい木が一本たっている。
ムゲンはいきなり景色が変わった事にもびっくりしたが、それ以上にこの景色がとても懐かしいと感じている事にびっくりしていた。
「…な…なんだ?ここは…?…なんだか知っている気がする…」
戸惑っているムゲンを見て声の主は即答した。
「ここは君の遠い記憶の中だよ!答えはいつも君の中にあるんだ。だから早く…僕を思い出して…」
ムゲンは気が遠くなった…。
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