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日本にも、古来ナキババなどの呼称で泣き屋稼業が実在した。
前章にて触れたアニミズム文化の中で、ナキババは次のような役割を担っていたのではないか。
精の引き留め役
故人の精は、その肉体の終焉のタイミングで、黄泉国(ヨモツクニ/死者の国・夜没国)へと旅立つ。遺族は故人の死を悼む気持ちで、その精を故人の精に寄り添わせてしまう。死者と生者の精は共鳴し、生者の精までも半ば黄泉国へ向かってしまう。
ナキババは遺族の代わりに大袈裟に泣きいさちり、遺族の悼みを今後の生に繋げられるレベルまで抑える、という訳だ。仏教伝来後の歴史では逆の役割、つまり、死者の精を現世(ウツシヨ)に留めない役をも担ってきたかも知れない。
いずれにしても鶴守主藍梨は、そんな全国のナキババ諸氏を尊く思います。
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