対馬哲哉

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「今日は髪型の雰囲気違うんじゃない?僕は前の髪型の方が好きだったなぁ…なんで変えちゃったの──」 こいつの名前は和泉寛治(いずみかんじ)名前以外の紹介は面倒臭いからいいだろう?とにかく五月蝿い奴。 ちなみに俺は髪型は昨日と全く変わっていない。 それを指摘するのも面倒だから、俺は蝿の羽ばたきに適当に頷いていた。 「──それでさぁ~そいつがこう言ったんだよ──」 聞き流しているから、寛治が今なにを話しているのか全く分からない。 「──哲哉君はさぁ~どう思う」 えっ…何が? その時、救いのベルつまり二時間目開始のチャイムが鳴った。 「じゃあ、続きは次の休み時間に」 続きが何を指しているか分からないが、問題は無い。何故なら授業が終われば寛治の話題は変わっているからだ。それに、俺は彼の口撃と言う名の爆撃から逃げる為の防空壕…つまり屋上に逃げるから何の問題も無い。 担任の後藤が教室に入ってきた。もう定年間際の白髪混じりの初老教師。受け持ちの教科は国語。はっきり言って何を言っているかはよく分からない。こいつの授業は黒板を写してさえいれば85点は確実に取れる。後は催眠術に打ち勝つだけだ。 ん?また後藤の無駄話だ。国語とは全く関係無い戦後の苦労話。暇だな…とりあえずここで自己紹介でもしておこうか。 俺の名前は対馬哲哉(つしまてつや)自分で言うのは何だが頭は良い方だと思う。大してテスト勉強なんてしなくても90点は堅い。でも、ガツガツ勉強して更に上を目指す意欲も無い。とりあえず俺の生きる目的はストレス貯めない程度に生きる事。学年トップ目指して一流大学に行く事では無い。俺は一流の中堅よりも二流のトップでいたい感じ。 夢?良く分からないな。夢なんて持って生きた事は無い。
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