超音波の日

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==キーーーーーン== 前にいる女性…膝をつき…顔を斜め上に見上げ… 美人な顔が…なにかに取り憑かれたのように… なにか悪魔や化け物でも見てるかのように 口も…目も…見開き 体も小刻みに動いてる… 洋介は… 『うっ…嘘だろ……!?』 女性は…ゆっくりと… 赤い涙を流した…  超音波は鳴り響く… 目の前の女性がどうなろうと洋介には関係ない 自分がヤバい… 洋介はその場から逃げるに走り去った (ヤバい!!…とにかく…家に帰らないと!!!…) 頭の中では異様な音が鳴り響いてる… まるで脳みそを掻き混ぜられたみたいに… 痛い…しかも自分の頭の中から鳴ってるみたいに… 逃げられない…… この異常な音……目の前の視界が回って見える… 逃げられない!! 『キャャャャャャ…!』 洋介は走りながらも、その叫び声がする方に視線を向けた 倒れながらも…狂った様に…暴れる…女性… 目から血を流してる… 『うわぁぁぁ!?!?』 訳がわからない!! 洋介は目を見開いたまま走る…… [キィィィィィィー!!!ィィィィ!!!!!!!] [ガシャ!!!] タクシーが洋介の目の前で事故った 運転手は女性…… 目から血を流し、顔は真っ青… まわりで暴れ狂ってのは女性ばかり… ==キーーーーーン== 超音波は鳴りやまない まるで…地獄絵図… 洋介は家に帰り着き 布団の中に潜った… 『ハァーハァー…』 (何なんだよ…この音は…) 人によって違うのか? 洋介の脳に目から血を流す女性の姿が浮かんだ… (あ”ぁぁぁぁぁ…) 恐ろしい…… (なんで…突然…こんな事に………) 世界の終わり… これほど異常な…日はない… 洋介は布団の中で、頭を抱え…ぶるぶると震えていた… 次の日… (いつの間にか…寝てた…) 頭の中で鳴る音は…鳴りやんでた… (夢だったのか?) あまりにも現実離れした昨日… 起きたばかりの寝ぼけた洋介はそう思う… いつもの様に…朝飯… なにも変わらない朝… 洋介は焼けたパンを口にくわえたまま… テレビの電源を入れた…  
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