5822人が本棚に入れています
本棚に追加
ボーイが大事に抱えてリシャールを持ってきた。
たぶんこの酒の値段知らない彼女だけは全く動じることなくグラスに注いでいた。
「そういや、あなた仕事は?
さっき一緒に食事してた女性ほっといていいの?」
「あぁ、あの人は今仕事中。
君と同じホステスだから終わったら来るよ。
それに今日は1日営業したから、僕の今夜のノルマはすでに達成したから。
あまり長居は出来ないけどね。
また今夜も奥さん来るはずだし。」
なんて、キャッチしてくるとか言って店抜け出して来たんだけど、そんなこと彼女に言えるわけない。
「奥さんて、高杉さん?」
「ん?そうだけど、君奥さん知ってるの?」
「いや、別に。」
奥さんのこと何か知ってるのか。
もしかして高杉夫人の旦那さんはこの店に来てるんだな。
嫁はホスト通いで旦那はクラブ通いとは、金持ちはやっぱ違うな。
僕は2・3杯飲んで、店を出た。
彼女からの電話は期待しないで待つことにしよう。
そう思いながらスターダストに戻ると、高杉夫人が僕を待っていた。
「じゅ~ん~」
今夜もヘビーだ…
最初のコメントを投稿しよう!