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次の日、俺は会社を休んだ。なにも気力が起きなかった。なにより、マコトと顔を合わせる気になれなかった。
マコトが親友じゃなければよかった──
そしたら、俺はマコトを憎むことができたのに──
ふと、壁に掛けてあるコルクボードに目をやった。コルクボードにはたくさんの写真が画鋲で止められていた。ユカとふざけて口付けをしながら撮った写真。動物園に行った時の写真。そして、二人で初めて長野へ旅行に行った時の写真。ハニカンだ笑顔のユカと照れ隠しに変な顔で写っている俺。わざわざ老夫婦に頼んで撮ってもらったっけ。コルクボードには二人で過ごした思い出で溢れていた。
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