1.きっかけ

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街の中心に位置する皇架(おうか)高校、ここに通う4人の男女、 司令塔=冬夜 参謀=志雄 隠密機動=美那穂 治療要員=海奈 物語は彼らによって綴られていく。 ことは不思議好きで好奇心の塊、志雄の一言で始まった。 ある雨の日の昼休み… いつもの様に教室の左後ろでお昼を楽しんでいた。志雄がまだなので今は3人だ。 「遅いね、志雄」 コンビニ弁当を開けながら、美那穂。 「今日は学食の限定デザートがある日だからね」 冬夜は弁当を開けた。    「あ、おいしそ…」 「あ、なるほど」 それぞれ、海奈と美那穂。 海奈のお弁当はいつも手作りで大きい。 「今日のデザートはたしか…」 ガラッといきおいよく教室前側の扉が開く。 「AIWのカスタードシュークリームさ!!」 冬夜が思い出す前に、勝利の笑顔と右手に袋を掲げた志雄が言った。 「ボクらの分も買ってきてくれるとは…」 「ありがとう、志雄」 「さんきゅう、志雄」 「みんなで食いたかったんだ~」 嬉しそうに言う志雄。自分の幸せをみんなで分かち合う気持の強い、いいやつだ。 「わっ、本当美味しい」 海奈は早速デザートに取り掛かった。小柄で可愛いらしく、癒し役なところがある。 中性的なルックスの活発な美那穂とは、いいコンビだ。 「あ、そうだ。モトさんから聞いたんだけどさ…」 モトさんとは、学食のコック長の本山さんのことだ。ミステリー好きで好奇心の塊の志雄とは、いつの間にか仲良くなっていた。 「新ネタか?」 「どんなの?」 「聞かせてっ」 志雄ほどじゃないが、好奇心の強い3人だ。机に身を乗り出して、聞きに入った。 一息置いて、 「ずいぶん前に廃校になった真汐小学校って知ってるか?…」 物語が、始まった。
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