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街の中心に位置する皇架(おうか)高校、ここに通う4人の男女、
司令塔=冬夜
参謀=志雄
隠密機動=美那穂
治療要員=海奈
物語は彼らによって綴られていく。
ことは不思議好きで好奇心の塊、志雄の一言で始まった。
ある雨の日の昼休み…
いつもの様に教室の左後ろでお昼を楽しんでいた。志雄がまだなので今は3人だ。
「遅いね、志雄」
コンビニ弁当を開けながら、美那穂。
「今日は学食の限定デザートがある日だからね」
冬夜は弁当を開けた。 「あ、おいしそ…」
「あ、なるほど」
それぞれ、海奈と美那穂。
海奈のお弁当はいつも手作りで大きい。
「今日のデザートはたしか…」
ガラッといきおいよく教室前側の扉が開く。
「AIWのカスタードシュークリームさ!!」
冬夜が思い出す前に、勝利の笑顔と右手に袋を掲げた志雄が言った。
「ボクらの分も買ってきてくれるとは…」
「ありがとう、志雄」
「さんきゅう、志雄」
「みんなで食いたかったんだ~」
嬉しそうに言う志雄。自分の幸せをみんなで分かち合う気持の強い、いいやつだ。
「わっ、本当美味しい」
海奈は早速デザートに取り掛かった。小柄で可愛いらしく、癒し役なところがある。
中性的なルックスの活発な美那穂とは、いいコンビだ。
「あ、そうだ。モトさんから聞いたんだけどさ…」
モトさんとは、学食のコック長の本山さんのことだ。ミステリー好きで好奇心の塊の志雄とは、いつの間にか仲良くなっていた。
「新ネタか?」
「どんなの?」
「聞かせてっ」
志雄ほどじゃないが、好奇心の強い3人だ。机に身を乗り出して、聞きに入った。
一息置いて、
「ずいぶん前に廃校になった真汐小学校って知ってるか?…」
物語が、始まった。
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