恋愛(?)

8/10
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
僕はただあなたを救いたいだけなのに… なぜあなたは拒む…   私と関わらないで… 私はもう誰も信じない もう無理だから…     嫌だよ…お願いだよ……本当に、僕はあなたを救いたいだけなんだ…あなたを助けたい…それだけなんだ… 関わるななんて、僕には無理だ… あなたを助けたい… その一心で、諦めずに関わってきたというのに…!!     ごめんなさい、でももうあなたの言葉も信じられなくなってしまった…ごめんなさい……だからもう諦めて…?私の事は、もういいから。関わらないでいいから…救おうとしなくていいから…… そう言って、彼女は僕の前から遠ざかっていく…  そんな事言われたって……くっ……僕は遠ざかっていく彼女を前に、ひざまずき、顔をあげる事もできなかった       やっぱり想うだけじゃだめなのか…!? 人を救おうとしても救えないなんて……こんなのってありかよ! 僕は叫んだ。声がかれるほどに…喉が潰れるほどに…    声が風に乗ったのか、彼女の耳に届いたらしく、彼女は足を止めて、遠くの後ろにいる僕の方に少し身体を傾けて、  さようなら。 …最後に、これだけは言わせて……             死ぬ前に、あなたと出会えて、本当によかった 私は幸せだったよ、ばいばい   本当にそう言ったかはわからない…でも確かに遠くにいる僕にはそう聞こえた 顔を見上げると、彼女は右手を小さく降っていて、ニコリと優しく笑っていた 涙を流しながら…    それから彼女は手を降り終わると、前を向いて、また僕から遠ざかっていく… もう彼女の顔はみえなかった    追いつこうとしても身体に力が入らない…僕はずっとそこで、彼女が遠ざかっていくのをみているしかできないでいた……     そんな時、また彼女の声が聞こえた それじゃぁね私の大切な人…私が信じた愛する人……     それは、永遠の別れを表していた     僕は、泣き叫ぶしかできなかった
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!