10人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
僕はただあなたを救いたいだけなのに…
なぜあなたは拒む…
私と関わらないで…
私はもう誰も信じない
もう無理だから…
嫌だよ…お願いだよ……本当に、僕はあなたを救いたいだけなんだ…あなたを助けたい…それだけなんだ…
関わるななんて、僕には無理だ…
あなたを助けたい…
その一心で、諦めずに関わってきたというのに…!!
ごめんなさい、でももうあなたの言葉も信じられなくなってしまった…ごめんなさい……だからもう諦めて…?私の事は、もういいから。関わらないでいいから…救おうとしなくていいから……
そう言って、彼女は僕の前から遠ざかっていく…
そんな事言われたって……くっ……僕は遠ざかっていく彼女を前に、ひざまずき、顔をあげる事もできなかった
やっぱり想うだけじゃだめなのか…!?
人を救おうとしても救えないなんて……こんなのってありかよ!
僕は叫んだ。声がかれるほどに…喉が潰れるほどに…
声が風に乗ったのか、彼女の耳に届いたらしく、彼女は足を止めて、遠くの後ろにいる僕の方に少し身体を傾けて、
さようなら。
…最後に、これだけは言わせて……
死ぬ前に、あなたと出会えて、本当によかった
私は幸せだったよ、ばいばい
本当にそう言ったかはわからない…でも確かに遠くにいる僕にはそう聞こえた
顔を見上げると、彼女は右手を小さく降っていて、ニコリと優しく笑っていた
涙を流しながら…
それから彼女は手を降り終わると、前を向いて、また僕から遠ざかっていく…
もう彼女の顔はみえなかった
追いつこうとしても身体に力が入らない…僕はずっとそこで、彼女が遠ざかっていくのをみているしかできないでいた……
そんな時、また彼女の声が聞こえた
それじゃぁね私の大切な人…私が信じた愛する人……
それは、永遠の別れを表していた
僕は、泣き叫ぶしかできなかった
最初のコメントを投稿しよう!