355人が本棚に入れています
本棚に追加
「洸。今日から、お前の弟になる毅だ。お前の方が一つ年上なんだから、仲良くしなさい」
「はい…」
父親にそう言いながらも、洸はこれから弟になる少年を睨んでいた…。
「……」
「洸…」
洸の母親は、洸が毅を睨んでいる事に気づき、毅を庇う様に前に出た。
この時、毅は幼さがまだ抜け切れてなく、母性本能をくすぐる魅力を持っていたのだろう…。
「よろしく…。毅」
洸は、弟の毅ににっこりと微笑みながら言った。
それにホッとしたのか、毅はニコッと洸に微笑みかけた。
「お兄ちゃんっ‼」
毅はそう言うと、ぎゅっと洸を抱きしめた。
それが、洸と毅の出会いだった───…。
それから、何年かが過ぎ──…。
最初のコメントを投稿しよう!