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「……」
「……。毅…。宿題、俺が代わりにやっといたで…。昨日は激しかったみたいで、悪かったな」
洸は、冷めた目で、毅を嘲笑うかの様に言った。
そうしないと、自分の本当の気持ちを隠す事が出来なかったのだろう…。
「……っ。…っく」
毅は、洸に顔を見せない様にして泣いた。
洸としたのが初めてでなくても、自分の兄だと慕って来た人物に抱かれたと言う事が、毅にとって、信じられない事なのだろう…。
「泣くなや…。毅も、気持ち良かったやろ…?」
ふっと笑いながら言った洸に、毅は睨みつけた。
「何でこんな事…っ❗俺はずっと、兄ちゃんやと思っ…て、っく‥」
「……。言うたやろ…?俺は、お前を恨んでたって…。嫌がらせや…。俺は、お前を一度も弟として見た時なんてない…」
洸の顔は真剣だった。
洸が言った言葉は、本当の気持ちだったが、今の毅には分からないだろう…。
「…っく。……っふ‥」
「……。‥、…ゃで」
不意に、洸は毅にすら聞こえない声で呟くと、ちゅっと毅にキスをした。
「学校、遅れるで…///」
ほんのりと頬を赤く染めながら、洸は部屋から出て行った。
その後ろ姿を、毅は物言いた気な顔で見ていた…。
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