兄弟愛(完)

11/21
前へ
/93ページ
次へ
毅が眠ってから数分。 洸は自分部屋から出ると、毅のいるリビングへ向かった。 「何や、帰って来てたんか…」 そう言った洸だったが、熟睡しているからか、毅は洸の存在に気づく所か、起きる気配も見せない。 「はぁ。寝てるんか💧💧」 呆れた表情の洸は、膝を抱えたまま寝ている毅を横に寝かせると、寒くないように毛布をかけた。 そうしてる間に、毅の寝顔を見ている洸の表情が、いつしか柔らかくなっていた…。 「あら…?可愛い💕弟君?」 いつ洸の部屋から出たのか…。 女はふふっと笑いながら毅の寝顔を見た。 「あぁ…。──…。なぁ?俺ら、もう潮時ちゃうか‥?」 洸は少し間を置いた後、女の顔を見ながら真剣に言った。 「ふふっ💕セフレに潮時があるなんて、初めて知ったわ」 女は笑いながら言った。 「それとも…。私を抱けなくなる程、好きな人でも出来た?」 女はそう言うと、毅の方に目を向けた。 『好きな人』 女が何故、「抱けなくなる程、好きな人でも出来た?」と言ったのか。 女は、分かっていたようだ…。 女の勘は鋭い…と言うが、全くその通りだろう…。 「どうかしたん…?」 「否…。洸が、こんな可愛い弟君に手を出すなんて、思ってもなかったから…💕でも、‥コレは付けちゃダメね」 女はそう言って、毅の首筋を指でなぞった。 そこには、昨日洸が嫌と言う程付けた、赤いキスマークがあった…。 「隠すのに苦労するから」
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

356人が本棚に入れています
本棚に追加