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毅が眠ってから数分。
洸は自分部屋から出ると、毅のいるリビングへ向かった。
「何や、帰って来てたんか…」
そう言った洸だったが、熟睡しているからか、毅は洸の存在に気づく所か、起きる気配も見せない。
「はぁ。寝てるんか💧💧」
呆れた表情の洸は、膝を抱えたまま寝ている毅を横に寝かせると、寒くないように毛布をかけた。
そうしてる間に、毅の寝顔を見ている洸の表情が、いつしか柔らかくなっていた…。
「あら…?可愛い💕弟君?」
いつ洸の部屋から出たのか…。
女はふふっと笑いながら毅の寝顔を見た。
「あぁ…。──…。なぁ?俺ら、もう潮時ちゃうか‥?」
洸は少し間を置いた後、女の顔を見ながら真剣に言った。
「ふふっ💕セフレに潮時があるなんて、初めて知ったわ」
女は笑いながら言った。
「それとも…。私を抱けなくなる程、好きな人でも出来た?」
女はそう言うと、毅の方に目を向けた。
『好きな人』
女が何故、「抱けなくなる程、好きな人でも出来た?」と言ったのか。
女は、分かっていたようだ…。
女の勘は鋭い…と言うが、全くその通りだろう…。
「どうかしたん…?」
「否…。洸が、こんな可愛い弟君に手を出すなんて、思ってもなかったから…💕でも、‥コレは付けちゃダメね」
女はそう言って、毅の首筋を指でなぞった。
そこには、昨日洸が嫌と言う程付けた、赤いキスマークがあった…。
「隠すのに苦労するから」
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