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「毅…」
洸は、まだ眠っている毅に語りかけている…。
「寝ててもええから…。…‥。俺、高校卒業したら、留学すんねん…」
洸は苦笑いしながら言った。
しかし、毅はまだ寝ている様だった…。
「先生にも、留学薦められてて、親父も賛成してくれてて…。でも、毅とは離れたないって思っとって……。……はぁ。ワガママやな…💧💧」
洸はふっと笑うと、毅の寝顔を見た。
すると、毅の目から涙が流れていた…。
「…何や。毅、起きとったんか…?」
「………っ」
毅は何も言わず、寝たフリを続けている…。
「別に寝たフリのままでもええ…。でも、留学は真剣に考えとる…。毅を連れて行きたいって気持ちはあるけど…。毅には学校があるし、連れて行けん事は知っとる…。やから、毅は此処で…日本で待っててくれるか…?俺が、帰って来るまで…ずっと…‥」
洸は、毅に言い聞かせる様に言うと、そっと毅の頭を撫でた。
すると、毅の目が開いた…。
そして、悲しそうに洸を見た…。
「こ、ぉ…っ。留学‥ほんまなん…?…っふ‥いや…、いややぁ…っく‥こぉ、が、おらんく…なんの…っく、いや、やぁ」
毅は、目に留めていたものを必死に堪えようとしていたが、無理だった。
止めどなく流れるそれを、洸は綺麗に舐め取った…。
「ふっ。しょっぱ。毅…?俺は、日本に帰って来る…。期間とかも決まってへんから、分からへんけど、一年以内に帰って来る…。たった一年…。辛抱出来るよな…?」
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