黒い紳士

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    なんだか空を眺めているみたいだ。   俺は果てない世界を呆然と見ているみたいだった。 からすも俺のことをそう思ってみてくれていたのだろうか。 年配のじいさんがよれよれと漕いできた自転車に、からすはあっさりと飛び立ってしまった。俺はすっきりとした気分で飛んでいくのを見送った。 さて、帰るか。 彼女はたぶん飯を作って待っているだろう。 これからもけんかはするだろうけど、一緒に居れる限り一緒に居る、それでいい。 俺はいつのまにか痛くなっていた尻を払い、待っている彼女におみやげのアイスを買いに立ち上がった。
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