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ポニーテールの女の子が自宅でソファに腰掛けながら
「あの呪いってマジで効くのねwwwうざったい彩音が死んで物凄く嬉しいんだけどwwww」
とか、術式が刻まれた白いくしゃくしゃの紙を持って笑っていた。すると、彼女以外居ない筈の自宅で何かが割れる音がした。
「何?」
と後ろに振り向き、上を見た。そこにはガリガリに痩せ、黒いワンピースを着た黒髪の女が天井に逆さまに立っていた。彼女の目の白い部分は邪悪な感じに黄ばんでいて、皮膚の色は灰色、とてつもなく長い髪はバサバサだった。
ポニテの女の子は黒い彼女を見ると、冷や汗を大量に垂らし、身体をガクガク震わせていた。
「彩…」
彼女が言い終わる前に彩音は彼女の顔を引っ掴み、二人は戸棚の小さい引き出しの中へ吸い込まれて行った。
何故か僕は彼女の家の机に座っていた。嫌な感じがしたので帰る事にした。
僕は腕を掴まれた。
だが、何故か僕は落ち着いていた。ゆっくりと振り向くと邪悪に微笑む彩音が居た。素早く手を振り払い、玄関に走った。すると扉が開き、白いスーツと帽子を着用した男が入ってきた。
「何だぁ?シッシッ、此処お前の家じゃないだろ」
男が手を振ると、彩音は驚いたかの様な表情を浮かべて消えた。
助かったのか…?そう思う僕をよそに、彼は僕の肩に手を置いた。
「よっしゃ、他見るぞ」
その瞬間、テレポートした。気がつくとマンションの一室だった筈が、えらく和風な家に居た。だが、中はかなり荒らされた様になっている。白い薄めのカーテンから早朝独特な青い陽が射していた。どうやら時間も進んだらしい。男は周りを見渡すと、僕に部屋の記憶を見せた。
…二人の姉妹が部屋に居る、楽しそうに遊んでいる。だが突然、二人は黒い物に肩を掴まれ、タンスの中に押し込まれて消えた。黒い物は…彩音だった。何故だろうか、いや解らない。暫く思考していると男が消えていた。神出鬼没な男だと思う。
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