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ふと前を見ると、うちの親父が部屋を探っていた。何をしているのか聞いても答えない。僕の存在は見えないし聞こえないのだろうか?瓦礫を退けたり、タンスを開けたり、戸棚を開けたりしている。 「そういや、何故こんなに部屋がボロボロなんだ?記憶の様子じゃこんなになる事は…」 そんな事を呟いているとスーツの男に腕を引っ張られ、外に連れ出された。   「逃げるぞ!!」   何を言ってるのか解らない。何故逃げねばならないのか…そう思うや否や凄まじい悪寒に包まれた。半壊した玄関の前に急いで走る僕。   「親父!!頼むから出てきてくれ!!マジでヤバい!!」 そう叫ぶと、玄関前まで親父が来た。部屋の奥で異様な物がうごめいている。   「え、何で逃…」 僕は親父の手を掴み、スーツのオッサンに向かって走った。   「うああ!!オッサァァン!!」 僕はオッサンに助けを求めるつもりで叫んだ。(ちなみに見た目は二十代)   「急げ!!」 オッサンはかなり焦っていた。すると、直後に玄関の壊れた扉が吹き飛び異形の人間が三体現れた。茶色と金色が主体の化物だった。   死に物狂いで走ったが追い付かれ、親父が殺られた。何故か悲しくはなかった。すると、妙な光がオッサンに当たった。彼はその途端おかしくなった。頭をやられたらしい。ブーンとか言ってる。   僕はオッサンを引っ張って町中を走った。すると、奴らは活動エリアが有るらしく、途中で動かなくなって戻っていった。僕はそれでも警戒して路地に逃げ込んだ。   「オ、オッサン…何とか巻いたな…あれ?」 オッサンの姿は無かった。さっきまで後ろに居たのにだ。驚いた僕は辺りを見回し、路地から出て周りを見たが居なかった。
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