何もいらない

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  私はパスタ屋でバイトをしていた。     私はこのパスタ屋が気に入っていた。   ドラマのように素敵な出来事があったり…   憎いほどいかした店長。   お客さんの笑顔。     私は今日も元気だ♪         「佐和ちゃん、佐和ちゃんに電話だよ」     私に電話?誰だろう…   この店で私あてに電話が来る事なんてないのに…     「お待たせ致しました。お電話かわりました。」     電話は…   裕貴のバンドのメンバーで小学校からの親友、久志からだった。       私は瞬間的に…   嫌な予感がした。     「どうした…の?」         「落ち着けな…」     まさか…       「裕貴が…」     いや…         「裕貴が事故った…」       いやぁぁぁぁぁぁぁ!!         私はコードレスの受話器を握りしめたまま、地面にへたり込んだ。         受話器から微かに私を呼ぶ声がする…   受話器を耳にあてる。     「おい!しっかりしろ!!」   「佐和!!佐和!?」         「…どんな事故なの?」   「怪我は?」         「俺も詳しい事はわからない」   「ただ…かなりの事故だそうだ…」         「裕貴どこ!?病院はどこなの!?」       「○○病院…俺もこれから向かう」  
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