108人が本棚に入れています
本棚に追加
「とりあえずあのドアからでましょう」
中井が言う。
そのとおりだ。こんな異様なところに居たくはない。
それに、ここに連れてきた犯人が居るはずだ。
いまがチャンスだろう。
「中井さんの言う通りだ。みんな行こう。」
優一が言った。
「そうだな。こんなところ早くでたい」
直人もそう言った。
鉄の扉に引き込まれて行くように、全員がぞろぞろと扉に近付く。
その瞬間、照明が点灯し、辺りは暗闇から解放された。
全員眩しそうに、光を遮断しようと目を腕で覆い隠す。
「諸君、出るのはまだまだ早い」
「誰だ!」
機械的な声に対し、山島が言う。
その声の主はさっきまで見ていた、二階に居るようだ。
今度は光に慣れたため、覆っていた腕を除けて、その機械的な声をだす者を直視する。
最初のコメントを投稿しよう!