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なんだ?
俺はその光景に呆れた。
いや、全員がそうだろう。
何故なら声の主は、遊園地に居るようなウサギのマスコットを頭に被っている男だ。
その下は黒ずくめで、黒い服に、ズボン。黒の手袋、ブーツ。
あやしい他ない。しかし目に付くのは、そこじゃない。
やはり頭だ。ふざけているのか?
「ねぇ…、あれ」
美奈子が指をさす。
その方向を見ると、照明のスイッチらしき辺りに、もう一人。
二階に居たやつと一緒だ。頭に被り物をして、服は真っ黒。
そして今まで目指していた扉にも、また一人。
こんなところにいたのに気付かなかった。
暗闇で鈍くなっていたのか?
考えている暇を無くすように、二階の男が機械で変えた声で話す。
「諸君悪いな。わたしの名前は…そうだな。チェアということにしよう。とりあえず左手を見たまえ」
チェアと名乗る男にそういわれ、左手を確認する。
「なんだこれは!?」
金属のような物が手首に巻かれていた。
金属のリストバンド?
そんなわけない。なにかあるはずだ。
その証拠に、どうなっているのか分からないが、機械仕掛けになっている。
「それには毒針が仕掛けてある。こちらで操作したら毒針がでる仕掛けだ」
全員が驚きを隠せなかった。
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