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夏休みは終わったというのに休日のせいか、ここの遊園地はにぎやかだった。
園内にある様々なアトラクションからは、絶叫が飛び交ったり、喜びを隠せない笑い声が響いていた。
俺は彼女を待つため、園内のベンチに腰を掛けていた。
俺はいつも約束の時間より、早く来ていた。そして今日もそうだった。
「わーい、ありがとう」
女の子の声がした方に目を向けると、ここの遊園地独特のクマのマスコットキャラクターが、手に持っている赤い風船を女の子にあげていた。
クマの中には人が入っているとはいえ、とても微笑ましい光景だった。
でも被り物のクマを見ていると、あの日のことを思い出す。
俺は二人を救えなかった。
あの狂ったゲームから…
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