108人が本棚に入れています
本棚に追加
「花火だよ。山の中なら誰もいねぇし、ゆっくりできるだろ」
と、直人がフォローにまわる。
「やった~!去年できなかったもんね」
去年は公園でするつもりだったが、あいにく公園での花火を禁止されてしまいできなくなったのだ。
「美紀もいればなぁ」
その美奈子の言葉が直人に突き刺さる。
気持ちが沈んでいるわけではないが、何も言えなくなっている。
「まぁ、今から行こうぜ。せっかくみんなが休みなんだ」
今度は優一がフォローにまわる。
「そうだね。早く行こうよ」
そう美奈子が言ったあと優一、直人は同時にハァと息を吐いた。
「俺、美奈子に口喧嘩じゃ勝てねぇや」
「俺も~」
優一が言ったあと直人がそう言って続ける。
そして近くにおいてあった直人の車に乗り込む。
あれから30分程たっていた。
30分も走ったらさすがに疲労がでてくる。
美奈子はバイトの疲れのせいで、とっくに寝てしまった。
はしゃいでいたとはいえ、かなり疲れていたようだ。
「すまん俺も寝るわぁ」
あくびをしながら優一がいう。
「わかった。着いたら起こすよ」
直人はそう言ってくれた。
目的地には、もう30分はかかる。俺はそのあいだ寝ることにした。
起きたあと地獄が待っていることもしらずに…
最初のコメントを投稿しよう!