ゲーム開始前

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「花火だよ。山の中なら誰もいねぇし、ゆっくりできるだろ」  と、直人がフォローにまわる。 「やった~!去年できなかったもんね」  去年は公園でするつもりだったが、あいにく公園での花火を禁止されてしまいできなくなったのだ。 「美紀もいればなぁ」 その美奈子の言葉が直人に突き刺さる。 気持ちが沈んでいるわけではないが、何も言えなくなっている。 「まぁ、今から行こうぜ。せっかくみんなが休みなんだ」  今度は優一がフォローにまわる。 「そうだね。早く行こうよ」  そう美奈子が言ったあと優一、直人は同時にハァと息を吐いた。 「俺、美奈子に口喧嘩じゃ勝てねぇや」 「俺も~」  優一が言ったあと直人がそう言って続ける。  そして近くにおいてあった直人の車に乗り込む。  あれから30分程たっていた。 30分も走ったらさすがに疲労がでてくる。 美奈子はバイトの疲れのせいで、とっくに寝てしまった。 はしゃいでいたとはいえ、かなり疲れていたようだ。 「すまん俺も寝るわぁ」  あくびをしながら優一がいう。 「わかった。着いたら起こすよ」 直人はそう言ってくれた。 目的地には、もう30分はかかる。俺はそのあいだ寝ることにした。  起きたあと地獄が待っていることもしらずに…
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