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寒い。そう思って飛び起きた。
直人、と言おうとして、気付いた。
どこだ、ここは?
薄暗い。下はコンクリートのようだ。触ると冷たさが指先から伝わってくる。
薄暗い程度だといえ、目が慣れない。
そうだ!携帯がある!
優一は急いでポケットから取りだし、適当にボタンを押す。
「つ、つかねぇ…」
思いも虚しく携帯の画面は映らない。
そうだ美奈子と直人!
あたりを見回すと、美奈子と直人は倒れていた。
しかも優一の記憶にはない、知らない5人が倒れていた。
男3人と女が2人いる。
直人、美奈子の順で起こす。それと5人も一緒に起こす。
直人も美奈子も5人を知らない。
「直人、どういうことだ」
優一が直人に言う。
直人がずっと運転していたからだ。
「わからない。着いたからお前を起こそうとして……」
一瞬詰まる。
「だめだ!そこから思い出せない」
直人はそう言う。少し混乱気味のようだ。
「あの~不便ですし、とりあえず自己紹介でもしませんか?」
5人の中の中年の男が言う。
それにみんな同意した。
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