紅葉の降り注ぐ季節

‐プロローグ‐

　これから紡ぐ物語。

　それはちっぽけな僕自身の記憶であり、

　運命に抗い続けた、彼女の記録だ。

　笑顔で彩られた彼女の強さを。

　時には涙する、その弱さを。

　鮮烈な茜の中で迎える為の、僕達の物語。

　この物語が、終わりか始まりかは分からない。

　だから、それを確かめる為。

　僕は、歩き出す。