16人が本棚に入れています
本棚に追加
「長久様、お目覚めの時間でございます」
目の前にあらわれた御簾を上げる。
いつ見ても豪華な部屋だ。
板張りの床に趣味よく骨董品が並べられ、蝋燭の光が辺りを照らす。
紅音は中には入らずその場に屈み、様子をうかがう…が絹布団の中の部屋の主は、ピクリとも反応しない。
どうせいつもどおりのことだ。
主は寝起きが非常に悪い。
紅音は御簾をくぐってずかずかと部屋に踏み込み、布団を引き剥がした。
「長久!!朝!!起きろーっ!!」
最初のコメントを投稿しよう!