主従

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「長久様、お目覚めの時間でございます」 目の前にあらわれた御簾を上げる。 いつ見ても豪華な部屋だ。 板張りの床に趣味よく骨董品が並べられ、蝋燭の光が辺りを照らす。 紅音は中には入らずその場に屈み、様子をうかがう…が絹布団の中の部屋の主は、ピクリとも反応しない。 どうせいつもどおりのことだ。 主は寝起きが非常に悪い。 紅音は御簾をくぐってずかずかと部屋に踏み込み、布団を引き剥がした。 「長久!!朝!!起きろーっ!!」
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