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クリスは、ようやくホテルから出た。
そこで見たものは、地獄だった。
ホテルで殺された方がよかったのかもしれない。
「…ここは、ローマじゃない…地獄だ…」
後ろから足音が聞こえてきた。怪物達だ。
クリスは、神に祈り、殺される準備をした。
怪物達の攻撃が同時に迫って来た。武器が風を切る音がかすかに聞こえてくる。
バァン!!!という銃音と共に怪物達の攻撃が止んだ。ブラッドだった。彼は人を救ったのだ。
「ありがとう」クリスがそう言おうとした時だった。ブラッドはクリスの方向に猟銃を向けた。
バァン!!!…また銃声が聞こえた。だが、標的はクリスでは無かった。
クリスの後ろに倒れていた怪物達にとどめをさしたのである。
「あんたホント、ラッキーだなぁ!!俺もよぉ、怪物達に絡まれている所、この兄ちゃんが勝手に殺してくれたんだよナァ…全く参っちまうよ…それでさぁそれでさぁ…」
ブラッドは男の鼻に銃口を押し当てた。「あ、ごめん…」、と男は、鼻声でつぶやいた。
「二人に言っておく。俺が連続殺人鬼だという事を忘れるな…俺がいつお前達を殺してもおかしくない事もだ…」
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