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男は、魔法陣を書き終えると、先ほど造っていた「何か」と、ケルベロスを魔法陣の中心に移動させた。すると、男は、長い劍を取り出し、ケルベロスに突きつけ、こう言った。
「汝に…この魔力を宿せ。」
ズブッ!!!その鋭い音と共に、ドス黒い光が実験室いっぱいに広り男は気を失った。
暫くして、男は目を覚ました。魔法陣は消え、後には、一冊の不気味な本が落ちていた。男はその本のそばまで行き、
「つ、遂にできた…殺戮の書の完成だ…これさえあれば、世界を手中に収められる…あとは、呪文を唱えるだけだ…」
男は、真っ白の髪をかき上げ、本を開いた。すると、男の後ろにあった「何か」を造っていた台の上にあったメスがひとりでに宙に浮き男の頭目掛けて飛んだ!!男は、当然気づくこともなく、あっけない結末となってしまった。
『…お前は相応しく無い…』
と、何かがそう言った。
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