奇々怪々

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それは… 身も心も冷えきって帰ってきた夜に起きた… 「ぁ゙ー…さむっ」 部屋に転がり込んでストーブに火をつけた 部屋の中は外に比べれば幾分ましではあるが…やはり寒い ストーブの前を離れたくなかったが…空腹には耐えられなかった 台所に行き 冷蔵庫に手をかける あ…そういやまだおせちが残ってた 先日 正月ともあって実家から帰ってきたばっかりであった 「こんなに食えねぇよ…(笑)」 心配性の母が「一人暮らしで餓死されちゃこまる」と余ったおせち料理を全てタッパーに積めてくれた とりあえず 一番小さいタッパーを取り出した タッパーというものは便利だが…このまま電子レンジに入れてよいのだろいか…? 少し悩んだが 空腹と寒さに急かされて結局別の容器に移して温めることにした … …… あれ? なにか違和感がある… しかし 違和感の正体がわからない… とりあえず まず俺が今どんな状況にいるか考えよう… 今俺は台所にいる そして今メシが温まるのを待っている …駄目だ駄目だ こんなんじゃわかんねぇ ふと食器棚に目をやった …あ! そういえばタッパーから移す皿を探していた時に… 食器棚をあけて中をみた …やっぱり あるはずのものがなかった 俺の湯飲み 最近 フリーマーケットで小汚ないジジィから買ったあの湯飲みが無くなっていた 「あれ?実家に持ってったっけ?」 ピピピピ ピピピピ ぁ メシが温まった とりあえず湯飲みは後にして まずは腹を満たさねば…
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