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Prologue~未だ見ぬ楽園~
赤いシボレーのピックアップの荷台にダイビング機材とタンクを乗せ、助手席に無造作にウェット・スーツを置いた。
エンジン・Keyを回し、ゆっくりと車を走らせる。
ガラムのメンソールを口にくわえ、ジッポで火を点け
コンソール・ボックスから、MDを取出しソフィ・ゼルマーニの曲を選曲する。
ガラス越に空を見上げるとだいぶ雲行きが怪しくなって来ている。
大粒の雨が眼の前のボンネットの上で踊りだす。
僕は雨の日の運転が大好きだ。
車の中に身を潜めていると外の嫌な雑音から逃れ、ようやく自分を取り戻せた様な気がするから‥‥
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