【序章】

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イベント終了後──か。 その言葉にふと、気付いた。 そう言えば、イベントは何日間有るのか。 それはイベント企画にも当選して貰った招待状にも記載されていなかった。 その事に気付き、問いかけようと振り返った時には、もうボートは大分離れてしまっていて──。 どうせ、暫く大学は休みなのだからいいか。 迎えに来るって、言ってるんだし。 逆にわざと記載していないのかも知れない。 だと、したら聞くのは無粋と言うものだろう。 そう考え、俺達はボートに背を向けた。 送迎人の男に言われた通り、道なりに歩き──。 加奈が何度か目の台詞を口にした。 「まだ着かないのぉ~っ!」 口調はバテ気味で、大分苛立っている。まだ、小学生の女の子だ。 体力がないのは仕方ないな。 加奈の荷物を持ってやり。 もう少しだよ。と、宥める。 直ぐと言っていたのに……。 送迎人の言葉が酷く恨めしい。 更に暫くそんなやり取りをしながら、歩いていくと──。 やがて、大きな門が視界へと入り込んで来た。
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