【序章】

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大きな門はその重々しい外見とは裏腹に手をかけると、さびた音が鳴ったが思いの外簡単に開いた。 さしずめ古びた洋館風の建物と言うのだろうか? 幾つかの棟が重なり合うように連なる大きな建物。 その前に一際目立つ、真ん中に座った女性が両手で水を水を掬い上げているような像の立っている噴水が有る。 ただの噴水じゃない。 真っ赤な色の水が女像の手から流れ出ている噴水。 何かで着色しているのだろうが、その様子はまるで女が血を浴びているようで……。 何だか、気味の悪いものを感じた。
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