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加奈は一頻りはしゃぐと、噴水の周りをぐるぐると回った後に、食い入るように噴水の女像を興奮した様子で見つめた。
「これ、きっと。伝説の鬼女だよね」
加奈、目が輝いているよ。
自分の妹ながら、ある意味凄いなぁ…と。
変な意味で感心していたところに。
「すげぇな。水、真っ赤だせ。ほら、亮」
そう言って、加奈の横で一緒になって興奮していた雅人は躊躇いもなく赤い水に手を突っ込むと。
此方に赤い水をかけて来た。
直ぐに気付き、何とか避けるが……。
危ない。
こいつらの動きを見ずに噴水に見入っていたら、まともに被っていただろう。
幾ら、何かで着色して有ってもこんなもの被る趣味は俺にはないぞ。
そう俺は胸中で独り言ちた。
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