【序章】

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  ずるっ…ずず…っ   何かを引きずるような音。 むせかえる血の臭い。  何故こんな事になってしまったんだ? 何故こんな事に巻き込まれてしまった? 混乱する頭。 迷走する意識。 駄目だ。 駄目だ駄目だ駄目だ。  しっかりしろ! ぎゅっと目を瞑り。呼吸を整えると、俺は顔を覗かせた。   見なければ良かった。  瞬間的に後悔する。 逃げ出したい。 逃げ出したい。   早く、此処から離れたい。   それしか浮かばない。    元を辿れば、妹の加奈達があるホラーイベントをインターネットで見つけた事が始まりだった──。
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