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美香が呟いたとき、男の子が美香のほうを向きニコリと笑った。その顔は太陽の光りを浴び、キラキラと輝いていた。しかし、美香には何故か今にも消えてしまいそうな笑顔にしか見えなかった。
「ねぇ、君。始業式、行かなくていいの?」
男の子が聞いてきた。美香はハッとしたが、それよりも男の子のほうが気になり、もう少し話をしたいと思った。
「あなたは?行かないの?」
「うん、僕は行かない。僕、此処が好きだから。」
この答えを聞いたとき、美香はつくつぐ『変な人だな。』と思った。それから暫く沈黙が続いた。
「ね、ねえ。さっき歌ってた歌。何て曲?」
「ん?あれはオリジナルだよ。だから題名なんてないんだ。」
「そう…。」
また暫く沈黙が続いた。
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