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最初に見惚れたのは、あなたの漆黒の翼。
しなやかに動く度に、風を絡め揺れる羽根。艶やかな黒は、全てを呑み込む程、深く、綺麗だった。
『お前の強い想いに呼ばれた。願え。三つだけ叶えてやる』
あなたのバリトンに響く声に魅了された。耳に届く度にゾクリと背筋が震え、腰に力が入らなくなる。
翼も、髪も、服さえも漆黒に包まれ、唯一両目だけが、血の色さながらに、紅に輝く。
その眼に囚われ、最早身動きも取れなかった。
これを一目惚れと言うのだろうか?
そうならば、僕は自分の幸運を喜んでしまう。
例えその相手が人外であろうとも・・・
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