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   再び路地に目を向けるも、待ちわびている変化はなかったようで。   「ばっか馬鹿しい」    悪態を吐くも、少年の不満を聞く者は居ない。と言っても、居たらそれはそれで困るのだが。  少年は崩れ落ちるように座り込んだ。      ――指定された場所を見張り、とある異常が生じた際には即刻報告せよ。  それが彼の仕事だった。  給料もなかなか良く、始めてから三ヶ月後の今現在に至っては、貯金通帳の金額に笑みさえ出るほどだ……普通の人間ならの話だが。  少年はそれを見てもニコリともしなかった。    少年は不満を抱いていた。自分を取り巻く全てに。        ――よし、あと三時間で今日は終了だ。そう、今日は……。  そう思った後に、少年はまたため息をもらした。   「今度こそは」    見張りの定期報告と共に自分の要求を……今度こそ通そう、と少年は意気込んだ。
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