プロローグ3~機械仕掛けのガーディアン~

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「―君、大丈夫か?」 突然老人に声をかけられた。その時俺は、全てを失いスラム街の路地に臥せていた。 「とりあえず、病院まで連れて…」 「…かまうな。俺は生きていても仕方がない…。」 「…君も、この戦で大切なモノを失ったか。おまけにその腕も…。」 「…お前には関係ない。さっさと…あっちへ行け…!」 俺は出せる限りの声で追い払おうとした。 「…取り返したくはないか?」 「…取り返せたら苦労は…ない。」 「取り返すためのチャンスならやれるかも知れん。紛い物で良ければ腕も、な。」 俺はこのジジィの言うことを信じようとは思わなかったが、なにか惹かれるものがあった。 「……どういうことだ。」 「私はレジスタンス直属の医師をしているものでね。もし、その命を粗末にする気ならそのチャンスにかけてみないか」 「…バカげている。が、どうせ死ぬならやってやる」 俺はレジスタンスの本部に連れていかれ、そこで次元の歪みのこと、そして其処からあの"来訪者"が来ていることを聞いた。 「…つまり、その歪みは色んな場所につながってる訳だな?」 「そう。つまるところ過去に戻ることが出来るかも知れないってことさ。」 俺はいてもたってもいられなくなった。 「それじゃあ、早速…」 「おいおい、片腕だけで何をしにいくんだ?その人を守るためには力が必要だろう?」 「む…じゃあどうすれば」 俺はじらされているようで内心腹が立った。 「だから"左腕"をやるといったろ?大切なモノを守る力が欲しければ今から処置室に来なさい。」 「…分かった。」 俺は処置室までついていった。 「――本当に力が手に入るんだな?」 「あぁ、私に任せたまえ」 「頼んだ。」 「…ではこれより人工電子義肢の移植手術を開始します。麻酔。」俺は麻酔をかけられ意識が遠のいていった。 ――麻酔がきれたのか目が覚めた。左腕の感覚がある。 …がかなり重い。俺は新しい腕を見た。 ――そこには合金で出来た鈍く光る腕だった。 「目が覚めたかな?」医師が嬉しそうにやってきた。 「この腕は…?」 「見た目はかなり武骨だが、それこそ君の求めた力だ。使い方次第では様々な形態に変形可能だ。」 「…まぁ、付けてもらったんだし文句はいわねぇよ。」 …ここに鋼鉄の腕を持った復讐のガーディアンが生まれたのだった。
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